令和5年度 大分三愛メディカルセンター 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 12 28 45 104 187 398 947 962 496
一般病棟の退院患者さまの人数を10歳刻みの年齢階級別に集計をし、患者数が10未満はハイフン(-)で表しています。年齢は入院日の満年齢です。当院は幅広い年齢の方々の診察を行っていますが、70歳以上の患者さまが全体の70%以上を占めています。昨年度と比較し、年齢構成の変化はほとんどありません。地域社会の高齢化が進む中、症状が比較的重症になりやすい高齢者の入院が多くなる傾向にあります。退院後のQOL(quality of life:生活の質)向上に向け、地域連携支援センターが中心となって地域の医療機関、ケアマネージャー、介護施設と協力して退院支援を行っています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 39 6.10 4.55 2.56 71.51
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 35 7.14 5.98 2.86 63.11
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 34 10.18 6.87 0.00 65.71
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 19 13.47 8.95 0.00 66.84
060170xx02xx0x 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 定義副傷病なし 16 7.44 6.86 0.00 69.38
外科で最も多い症例は鼠径ヘルニアです。一般的には小児疾患のイメージが強いかもしれませんが、当科は15歳以上の症例が39件あり、平均年齢も71.51歳と高くなっています。また第2位は胆嚢疾患に対して腹腔鏡下胆囊摘出術を行う入院です。当科では急性胆のう炎を発症している場合、入院後早期に摘出術を行い、入院期間の短縮を図っています。また消化器疾患を中心に悪性疾患から良性疾患までを診断し、治療にあたっています。内視鏡的切除、腹腔鏡下切除から拡大手術まで、症状に応じて治療を実施しており、腹部、外傷、急性腹膜症や緊急手術にも迅速に対応しています。
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 95 21.96 20.60 11.58 86.00
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 37 15.03 13.52 8.11 84.76
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 30 2.00 2.03 0.00 49.77
040150xx99x0xx 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術なし 手術・処置等2なし 13 42.38 22.55 15.38 79.92
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 12 4.33 4.73 8.33 66.42
内科では誤嚥性肺炎の症例が最も多く、平均年齢は86歳と主に高齢の患者さまが治療を受けられています。誤嚥性肺炎は重症化しやすく、入院期間が長引く傾向にあるため当科では平均在院日数の長期化に繋がっていると考えられます。また、第3位の睡眠時無呼吸症候群の治療にも積極的に取り組んでいます。1泊2日の入院で検査を行うことができ、比較的若い患者さまのニーズにも対応しています。現在内科には呼吸器内科、糖尿病、リウマチ内科など様々な分野を専門とした医師が在籍しています。そのため、患者さまにとって最も適している分野の医師が様々な疾患に対応できるよう、体制を整えています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 122 40.84 25.50 23.77 83.99
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 20 20.30 19.34 50.00 84.8
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 16 42.38 21.96 0.00 73.63
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 14 20.93 4.76 0.00 79.50
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2なし 13 42.00 19.27 38.46 83.46
当院の整形外科は股関節・大腿近位骨折の症例が最も多く、平均年齢も83.99歳と高齢の患者さまが多いことが分かります。股関節・大腿近位骨折の中では大腿骨転子部骨折と大腿骨頸部骨折が多く、これらは高齢者が骨折しやすい部位の一つでもあります。ご高齢の患者さまは様々な合併症を有していることが多く、長期臥床を避ける為に早期手術を心がけ、他科と連携しながら治療にあたっています。また、早期にリハビリテーションを行う体制を整えることにより、退院後の生活に向けた調整にチームとして取り組んでいます。なお、患者さまの状況に応じて、回復期機能のある病院へ転院することもあるため、他の診療科に比べて転院率が高くなっています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 36 25.94 15.70 13.89 76.25
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 20 13.90 7.19 20.00 73.05
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 20 26.25 8.38 25.00 75.5
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 17 32.71 19.09 5.88 79.71
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 17 19.35 9.88 11.76 79.06
脳神経外科では脳梗塞の症例が最も多く、発症3日以内で、処置2 4(エダラボン使用)という治療が多く行なわれています。エダラボンは脳保護剤です。また、Rankin Scaleとは脳血管障害だけに限定したADLの評価法で発症前は0、1又は2の軽度の障害であった患者さまの脳梗塞を多くみています。脳梗塞は治療開始が遅くなるほど、運動麻痺などの後遺症が残る可能性が高くなります。そのため発症から治療を開始されるまでの時間が非常に重要です。当科では24時間CTやMRI、脳血管撮影などの救急体制を万全に整えており、早期発見・早期治療に取り組んでいます。また急性期からリハビリを介入することで、社会復帰にかかる期間の短縮や予防、改善を促進することができます。なお、頭部外傷・脳卒中領域においては周辺地域の医療機関との連携も強めているため、転院率も高くなっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 60 8.27 7.89 0.00 73.72
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 52 14.77 13.52 7.69 80.63
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 34 8.85 6.85 5.88 79.74
11013xxx04xxxx 下部尿路疾患 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術等 26 5.38 5.09 3.85 73.00
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 25 2.04 2.44 0.00 75.28
当院の泌尿器科では尿路性器腫瘍・感染症、腎不全、結石等、ほとんどの泌尿器科疾患を扱っています。また、女性医師が在籍しており、地域の産婦人科とも連携して、患者さまが安心して治療を受けられる体制を整えています。1番目に多い疾患は、生殖器脱出症で膀胱瘤などの女性泌尿器疾患となっています。第2位は腎臓又は尿路の感染症で平均年齢が80.63歳と高齢であるため、様々な合併症を有していることも多いですが、在院日数は全国平均と大差ありません。また、当科では体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)を行っているため結石に関連する症例も多くなっています。排尿ケアチームが全入院患者さまを対象に排尿管理を行なっており、下部尿路機能の改善に積極的に取り組んでいます。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 122 7.19 8.75 3.28 81.07
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 61 3.33 2.61 0.00 72.00
06007xxx9910xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 27 2.63 4.24 0.00 68.59
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 25 7.24 7.58 0.00 71.92
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 17 11.47 7.63 0.00 68.12
消化器内科で最も多い症例は、胆石や胆管炎といった胆道疾患です。症状としてはどちらも腹痛や背部痛があり、細菌が増殖すると胆管炎となって高熱が出る場合もあります。敗血症ショックになることもあるため、緊急を要します。当院ではERCP(内視鏡的胆管膵管造影)検査を行い、診断から手術(内視鏡ステント留置術や乳頭切開術、結石除去術)、治療までを一貫して迅速に対応しています。第2位の小腸大腸のポリープについても、主に内視鏡的切除術を行なっています。当院では平成28年5月に内視鏡センターを設立して以来、多職種のスタッフが携わることで充実した体制で積極的に内視鏡検査や治療を行なっています。さらに外科と密に連携することで、早期発見・早期治療に取り組んでいます。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 74 19.43 20.60 14.86 86.70
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 73 18.81 17.38 16.44 87.36
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 61 3.02 3.05 0.00 72.66
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 41 4.27 4.26 0.00 72.46
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 15 14.60 13.52 20.00 85.40
当院では令和2年から循環器内科医が常勤となり、現在4名の専門医が在籍しています。循環器というとイメージがつきにくいかもしれないですが、簡単にいうと「心臓」と「血管」のことです。当科では第2位が心不全となっており、その中でもうっ血性心不全が大半となります。うっ血心不全とは心臓のポンプ機能が弱まり充分な量の血液を全身に送れなくなり、血液の滞留が起こってしまった状態です。このため呼吸困難や倦怠感、むくみなどが生じ悪化すると命に関わるので危険です。超高齢化が進み、心臓の病気を患う方も増えています。循環器内科では、患者さまをはじめ、医療機関や施設、訪問看護・介護の皆様からのニーズに応え続けるべく、日々1人1人丁寧に診ていくほか、緊急の心臓カテーテル検査・手術の対応や心臓リハビリテーション、経食道エコー検査等、充実した体制を整えています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 18 - 10 20 - - 1 8
大腸癌 - 15 16 17 - 23 1 8
乳癌 - - - - - - - -
肺癌 - - - - - - - -
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
集計は延べ患者数です。この場合の「再発」とは、癌の治療後に再び癌が発症した場合だけではなく、当院や他院での初回治療が終わり、継続治療を行っている場合も含みます。10未満はハイフン(‐)で表示とするため、各Stageごとの詳細な数は控えますが、胃癌・大腸癌・肝癌などの消化器のがんはStageⅠからStageⅣまで、幅広く治療を行っています。内視鏡治療・腹腔鏡手術・開腹手術・抗がん剤治療など、患者さまやがんの状態に合わせた治療法を選択することができます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 58 16.03 78.50
重症 13 21.46 82.15
超重症 - - -
不明 - - -
肺炎の重症度はA-DROPスコアを用いて計算しています。年齢・脱水・呼吸・意識障害・血圧の5項目に関して、定められた基準に該当している数が多いほど重症度が高くなります。患者数が10未満はハイフン(-)で表しています。当院は二次救急指定病院であり、成人市中肺炎の重症度は中等症が最も多くなっています。市中肺炎といえども中等症の患者にはご高齢の患者さまが多く(平均年齢78.50歳)、平均在院日数も16.03日とやや長くなっております。軽症の患者さまは外来で診療が完了することが多いため、入院が必要な症例の件数は10未満と少ないです。当院で肺炎の治療を受けられるご高齢の患者さまは増加しており、その大半が誤嚥性肺炎です。しかし、誤嚥性肺炎はこの指標の対象疾患には入ってないため総件数としては少なくなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 100 38.80 78.98 20.37
その他 - - - -
患者数が10未満はハイフン(-)で表しています。急性期脳梗塞の患者さまの平均年齢は78.98歳となっており、ご高齢の患者さまが多いです。脳梗塞は発症から治療開始までの時間が非常に重要となります。当院では発症から3日以内での患者さまが多く、急性期脳梗塞への迅速な治療を行っております。また早期リハビリテーションは脳梗塞の合併症・後遺症を防ぐに非常に重要です。当院は回復期リハビリテーション病棟を有しており、患者さまの症状やADL、退院後の生活などを総合的に考慮して周辺の医療機関と連携をとっています。そのため転院率が他の疾患より比較的高くなっています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 86 1.93 6.59 1.16 66.85
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 26 1.15 3.73 3.85 68.12
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 13 1.15 4.38 0.00 78.31
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 13 4.00 14.62 7.69 73.46
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの 10 0.80 12.50 0.00 64.40
外科手術で最も多いのは、腹腔鏡下胆嚢摘出術です。腹腔鏡下手術は、内視鏡をお腹に入れてモニターを見ながら手術を行います。一般的な外科的手術のようにお腹や胸を切らず、小範囲の切開だけで治療を行うので、患者さんの身体的負担が軽く、術後の回復が早くなり、入院期間の短縮と早期に社会復帰できることもメリットとなっています。次に鼠径ヘルニアの手術ですが、当院の場合、腹腔鏡下手術が第2位、開腹術が第3位となっています。これらは患者さまの状態に応じて術式を変えています。また、急性胆のう炎や消化器がんについては、消化器内科との密な連携体制を整えており、術後は多職種のスタッフが関わることで早期離床を勧め、患者さまの退院後のQOL(quality of life:生活の質)向上を目指しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 94 5.28 34.31 21.28 82.85
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 55 6.85 36.42 20.00 82.62
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 33 3.39 38.45 0.00 73.64
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 29 5.93 19.66 17.24 68.34
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 14 5.79 17.79 7.14 64.43
整形外科手術で最も多いのが骨折観血的手術です。その中でも高齢者に多い大腿骨の手術が多く行われています。骨折観血的手術は、骨折部を整復して金属を用いて固定します。固定材料には様々な種類があり、骨折の形態や患者さまの状態に合わせて選択します。人工骨頭挿入術は何らかの原因で骨頭や頚部が壊れ、骨頭を保存しての治療が難しい時にこれを金属の骨頭に入れ替える手術の事を指します。人工関節置換術は骨頭側だけではなく、関節窩側にも破壊、変形などがある時に骨頭側と関節窩側の両方を入れ替えて再建を図る手術を指します。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 16 0.94 16.94 12.50 81.56
K178-4 経皮的脳血栓回収術 10 0.10 71.60 40.00 73.50
K1812 脳刺激装置植込術 両側の場合 - - - - -
K190-3 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ設置術 - - - - -
K190-4 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ交換術 - - - - -
脳神経外科では、脳血管障害、脳腫瘍、機能性神経疾患、頭部外傷等多岐にわたり治療を行っております。休日や時間外に専門医が在院していない場合でも迅速に検査結果を把握し、到着までに的確な治療法を指示できるよう、スマートフォンを利用した遠隔画像診断システムを導入しております。手術は慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術が最も多く、ご高齢の患者さまの割合が多いです。患者数が10未満はハイフン(-)で表しています。当科では脳血管内治療専門医が在籍しており、カテーテルを用いた脳血管内治療を行っています。脳血管内手術は開頭術と比べ、手術時間や入院期間の短縮に繋がり、術後の回復状態が良いことがメリットとしてあげられています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K865-2 腹腔鏡下仙骨腟固定術 57 1.51 5.65 0.00 73.04
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 38 1.16 6.50 5.26 58.36
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 25 0.84 11.32 8.00 77.42
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 16 0.06 1.50 0.00 74.57
K7981 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術 16 0.50 3.88 6.25 66.77
泌尿器科で最も多い手術は、骨盤臓器脱に対する腹腔鏡下仙骨腟固定術です。これは腹部に4カ所の小さな創をあけ、腹腔鏡や機器を使って腟を仙骨に固定する低侵襲手術になります。欧米では主要な治療法として広く行われてきましたが、日本でも2016年に保険収載され、厚生労働省の認可を受けた医療機関のみ保険診療として、この手術を受けることが出来るようになりました。尿路結石に対する体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)は、当院では2012年9月に導入し、自然排出できない大きな結石を体の外側から衝撃波を結石にあてることによって、体の組織を傷つけることなく治療を行うことが出来ます。手術に関してはできる限り侵襲の少ない治療を行い、早期退院できるよう、診療にあたっています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 87 1.15 8.72 3.45 81.6
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 58 1.69 2.90 1.72 73.10
K6852 内視鏡的胆道結石除去術 その他のもの 30 0.13 4.10 3.33 80.90
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 20 2.80 10.25 25.00 79.20
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 19 0.42 6.79 5.26 79.37
消化器内科で多い手術の第1位は、ERCP(内視鏡的胆管膵管造影)を用いた内視鏡的胆道ステント留置術です。また第3位には、内視鏡的胆道ステント留置術があり、これは良性胆道狭窄や悪性疾患に対する一時的な減黄処置としても行われますが、高齢者や手術不能な方、悪性胆道狭窄に対する永久的な胆道ドレナージ法としても有用されています。当科では内視鏡センターを設立しており、積極的に内視鏡検査や治療を行い、外科と密な連携をとることで消化器疾患の診断から治療までの一貫した対応を患者さまの状態に合わせて行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 28 3.07 1.54 0.00 72.71
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 10 1.20 1.00 0.00 75.60
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K5481 経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの) 高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの - - - - -
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの - - - - -
患者数が10未満はハイフン(-)で表しています。当科の看護師や臨床工学技士、臨床検査技師などのスタッフは、勉強会やトレーニング、検査後の振り返りを続けながら日々腕を磨いています。手術については経皮的冠動脈形成術という、狭くなった箇所に風船を入れ膨らませるバルーン治療、ステント(金属のチューブ)を入れて血管を拡げる治療などがあります。いずれも、2泊3日程度の入院で済み、身体的な負担も軽いため、すぐに日常生活へ戻ることも期待できます。検査や治療は受けること自体が不安の多いものですが、患者さまが少しでも安心して治療いただけるよう常時体制を整えています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 15 0.47
180010 敗血症 同一 - -
異なる 11 0.35
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 28 0.88
異なる - -
患者数が10未満はハイフン(-)で表しています。DPCコード130100の播種性血管内凝固症候群(DIC)、180010の敗血症、180035のその他の真菌感染症、180040の手術・処置等の合併症の発生率はいずれも1%未満と低く抑えられています。入院契機欄の「同一」とは、入院する際にすでに起こっていた傷病であることを示しています。入院契機欄の「異なる」とは、入院時に治療目的とした疾患とは異なることを示しており、入院中に発症した傷病であることが多いです。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
436 389 89.22%
手術中は、長い間ベッドに横たわり同じ体勢をとり続けること、手術の影響で止血機能が亢進することから、足の深部の静脈内に血の塊(血栓)が発生し、 血液の流れ(血流)を妨げて静脈血栓症が発生しやすくなります。中でも「深部静脈血栓症」が原因でおこる「肺血栓塞栓症」は 静脈血栓症が引き起こすもっとも危険な病気です。足にできた血栓が血流にのって肺にたどり着くと「肺血栓塞栓症」がおこります。 これを防止するために、当院では手術患者さまの状態や疾患、術式・手術体位に合わせて、静脈血栓症を予防する取組みを行っています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
661 622 94.09%
血液は通常無菌状態で保たれていますが、感染が起こった場所から血液内へ病原菌が進入すると、病原菌が全身に広がり、菌血症や敗血症という重篤な感染症となります。それを防ぐためには、感染症に罹患したら、速やかに病原菌を特定し治療に効果的な抗菌薬を選択する必要があります。感染症を起こしている病原体を2セット以上の血液培養検査にて特定し、培養された病原菌に特に効果的な抗菌薬を選択して治療すると、より効率のよい完全な治療となり、結果的に耐性菌が生じにくくなるため、血液培養は2セット以上行うことが推奨されています。当院では、ICT(感染対策チーム)にて、抗菌薬を使用している患者さんに血液培養検査を行っているかをチェックし、施行がない場合は、担当医へ検査実施を要請しています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
421 359 85.27%
近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、当院では抗菌薬適性使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team : AST)を組織し、抗菌薬適正使用を推進する取組みを行っています。抗菌薬適性使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。
更新履歴
2024/9/30
令和5年度の病院指標を公表しました。